松が好きなあなたへ、香川のもう1つの大名庭園、中津万象園のすすめ

【はじめに】

松を中心とした庭はお好きですか?
香川県で松が見どころの庭と言えばまず栗林公園が有名です。ですがもう1つ、松が特徴の大名庭園があるのをご存じでしょうか。それが丸亀市にある中津万象園です。
今回は中津万象園について、松を中心として解説します。

【中津万象園の松】

中津万象園は丸亀藩京極家が造った約5ha (東京ドーム1個分) の大名庭園で、その松は日本百名松にも選ばれています。

園内にはこのように、いたるところに松があります。公式サイトによれば1500余本の矮松(上に伸びないように小さく仕立てた松)があるそうです。

中津万象園

茶室の門は「松寿閣」といいます。ここにも松へのこだわりが現れています。
松寿閣

数多くある松の中でも特徴的なのは、母屋の前にある「千代の笠松」という松です。推定樹齢600年、直径15mの傘型に仕立てられた松は、ここにしかない独特のものです。

千代の笠松

千代の傘松 全体はこのような感じ。近江(現在の滋賀県)の「うつくし松」を仕立てたものです。うつくし松とは松の天然変種で、メインとなる幹がなく、根もと近くから放射状に枝分かれしてるのが普通の松との違いです。
千代の笠松


茶席がある日は母屋に入って、室内から千代の傘松を見ることができます。室内から見ると窓いっぱいに松が広がって見えるので壮観です。
(茶席のある日については、中津万象園に問い合わせましょう)

母屋からみた千代の笠松

【松以外の見どころ】

ここからは松以外の見どころを紹介します。

観潮楼

観潮楼は母屋の隣にある建物で、18世紀後半に建てられたとみられる現存日本最古の煎茶室です。煎茶室とはなんでしょうか?江戸時代後期から明治時代にかけてもう1つの茶道「煎茶道」が流行しましたが、その茶室が煎茶室です。

抹茶の茶室とは異なり、煎茶室はふつう開放的なつくりで、景色のよいところに造られます。観潮楼も高床式で海側に向けて大きな開口部があり、眺めの良い煎茶室です。かつてはその名のとおり海が見えていましたが、高潮対策の土手などのため現在では海は見えません。
内部は通常非公開ですが、時折、茶会が開かれることがあります。

現存最古の煎茶室

橋と沢飛石

万象園の池には8つもの島があり、橋や沢飛石で渡ることができます。
島が8つもあるのは近江八景になぞらえているためです。万象園を造った京極家はもともと近江の名家で、江戸時代に丸亀藩に移ってきました。そのため近江には特別な思い入れをいだいていたようです。
8つの島の内7つには橋や飛石で渡ることができ、歩く楽しみになっています。デザインも多様。例えば写真の飛び石はハスの葉をイメージしたデザインになっています。

橋と沢飛石

百本鳥居

園内には京都・伏見から分社した稲荷神社があり、企業や個人から奉納された100本をこえる鳥居があります。現在では前撮りなどで人気のスポットとなっています。

百本鳥居

その他

園内には美術館があり、バルビゾン派の絵画などを展示しています

【まとめ】

中津万象園は松が好きな方におすすめの庭園です。モデルコースが約1000mで、ゆっくり目に歩いても30分くらいで回れるでしょう。気軽に散策できるくらいの広さです。
丸亀に行く際はぜひ中津万象園に立ち寄ってみてください。




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